2017.05.16

▼ ケルビムスポルティーフのレストア〜完成までの道のり

フレームの再塗装
「フレームの再塗装が上がったよ!」連絡が入った。
依頼した色に忠実に仕上がっているのか?
その色は果たしてカッコ良いのであろうか?
そんな不安を抱きながら梱包を開く。
待望の瞬間だ。

「 うん、カッコ良いっ!!」
フレームカラーは長年親しんだ
相棒、ニッピーの革漉き機の色目にした。
早速フレームに墨入れをしていただいた。
デカールの色目と同様に金色に。
これからがようやく組み立て作業だ。

トラブル その1
組み立て作業が始まり早速トラブル。
リアディレーラーの取り付けが出来ない。

エンドにディレーラーを取り付ける
ステーを噛まして取り付ける仕様。
直下付けの穴に付けると
当りの位置が合わなく
ディレーラーが後ろに向いてしまう。
何とか特注の金物を作ってもらい
クリア!と思いきや今度は
フロントのバンドも径が違い入らない!
シートパイプは28.6mmが普通だが、
このジュビリーは28mm仕様。
どうにかジュビリーのバンドの内径を
削ってもらい装着。    

トラブル その2
マファックのブレーキレバーが
日本人の手に合わない。
どうやら古いマファックのレバーは
ハンドルから離れ過ぎている為、
ブレーキに指が届き辛い。
(フランス人は指がながいのかなぁ?)
とにかくなんとかせねば。
すぐに革のパーツ作りに。
この小さな食パンの様な革部品が問題を解決に。
レバーの上にはめ込み
レバーがMAXまで開かない様にする
詰物なのです。
これによって僕のふと短い指でも
簡単に握れるようになりました。
ドーナツ型のパッキンも色々な種類を作り
これから各部に装着していきます。     

組み上がり
泥除けやライトの装着も完了して
ようやく引き渡して戴きました。
これから最後の仕上げ
レザーのハンドルバーテープの
巻き付け作業です。
この色は目が行く所なので
色目の選択が自転車の仕上がりに
左右する重要なポイントです。
「うーん。無難に黒かこげ茶で仕上げるか?
いや全然違う色目で外すべきか?」
さまざまな端切れを合わせてみては考え
・・・最後にはサドルと同じ色目に落ち着き
ました。(結局普通じゃん!!!)
ハンドルが無難になったので
ペダルのトゥーストラップはすこしポイントに赤色にしました。   

トラブル その3
ポンプを装着して完成なのですが
いざ装着するとディレーラーのバンドに
干渉して収まりが悪い。
出来るだけポンプとシートチューブが
平行になる様にポンプペグを短めにして
頂いたのだが、ほんの少し当たる。
そこでまたお得意の革パーツ。
これで収まりも良く安定しました。

コンポーネントの紹介
計画から7カ月程かかりましたが
満足のいく自転車が出来上がりました。

ほぼほぼ主要部品は30〜40年ぐらい前の
フランス製です。
仕上がって分かったことですが
おフランスの部品は非常に厄介。
日本や他の国との規格が合わないし
ほしい部品も手に入らない。
(A氏の助言がないと
もう1台自転車が作れるほどの
不要部品の山が出来ていたかも。笑)
また同時代のカンパに比べると
性能も悪い。
それなのに何故におフランスのパーツが
人を魅了し続けるのか?
理由はそれぞれでしょう。
デザイン性、希少性、
スタイルへのこだわりなども有り
ますが、何よりペダル付き自転車を
世界で初めて発明した国
という職人の意地と長い歴史が
宿っているからでしょうか?

A氏に大変貴重な部品を譲って戴き
大変感謝をしております。
足りないものは夜な夜なオークションを閲覧し
震える手でポチっとして揃えました。笑

Cherubim component
フレーム:ケルビム クロモリ 80's (日)
ヘッドセット:ストロングライト(仏)
ステム:コンペ(日)
ハンドル:フィリップ プロフェッショナル(仏)
Fディレーラー:ユーレー ジュビリー(仏)
Rディレーラー:ユーレー ジュビリー(仏)
クランク:TA 44*28(仏)
BB:TA(仏)
ペダル:リオター(仏)
ブレーキ:マファック 2000(仏)
ブレーキレバー:マファック(仏)
FRリム:スーパーチャンピオン MIXTE(仏)
FRハブ:ノルマンディー コンペディション(仏)
タイヤ:パナソニック ツアラー ブラウン700×23(日)
サドル:イデアル90(仏)
シートピラー:サンプレックス(仏)
ポンプ:アドホック カンパアダプター(仏)
ダイナモライト:ジョス TIPE B(仏)
Fバッテリーライト:キムラ タンケンライト(日)
Rテールライト:キムラ(日)
泥除け:本所(日)
キャリア:オーダー品(日)
ボトル:テハマナ カンティーンカバー(日)
バーテープ:テハマナ(日)
トゥーストラップ:テハマナ(日)
各部革パッキン:テハマナ(日)

2017.03.13

▼ ケルビムスポルティーフのレストア その3。

その後長らく経ちましたが
やっとフロントキャリア、ダイナモライト
リアライトの取り付け金具が完成した
と言う連絡を受け工房へ。

綺麗な仕上がりに大満足。
レアな部品を使おうとすると
色々な加工が必要となってしまうんですねぇ〜
これから部品のメッキと
フレーム塗装をやって頂きます。
今春には間に合いそうです。

2016.11.17

▼ ケルビムスポルティーフのレストア その2。

   ケルビムスポルティーフのレストアのお話の続きです。
   先日自転車屋さんに頂いたガラクタにしか見えない段ボールの中身。

   まず手始めは写真右端の革サドルから。
   (なんといっても、革職人ですから。笑)

   この黒いワックスがゴテゴテの
   何色だったのか分からないサドル、”イデアル90”。
   かすかに端から茶色が見えるような、見えないような。
   これは磨き甲斐がありそう。嬉!!

   まずはリベットに年月分たっぷりとついた緑青を
   丸ギリで少しずつ落とし、丁寧に研磨剤で磨きます。
   次に革全体を水で濡らして
   サドルソープをスポンジで塗り込んでいきます。
   どす黒い泡がどんどん出てきているでしょ。
   これを油が落ちるまで繰り返し行います。    


   表面の凹凸が無くなれば、半日待って乾かします。
   乾くと色が薄くなり、やはり、ほらっ!!
   茶色の革が出てきました!!

   そして乾かした後は艶が全く無くなります。
   この上からトコノールという、艶を出す液体を薄く馴染ませ
   布やヘチマで磨きます。
   大分艶が出てきたでしょ。  

   この後仕上げにテハマナ特製蜜蝋クリームを塗ると・・・
   どうですこの艶!!感激っ!

   レストアはまだまだ続きます。
   お好きな方のみ、お付き合いください。笑      

2016.09.13

▼ ケルビムスポルティーフのレストア。

   早く遠い距離を走るには快適だが、
   荷物を極力少なくしようとするがため、
   行く先で思わぬお土産を発見しても
   重さが気になってついつい敬遠してしまうのが
   ロードバイクのちょっとした難点。
   
   お買い物したり、カフェによってお茶を楽しんだり
   もっとゆったり気ままにポタリングを楽しむ自転車が
   欲しいなぁと思っていた矢先、

   「サイズぴったりのスポルティーフのフレームがあるよ!」

   いつもお世話になっている自転車屋さんから連絡が入った。
   飛んで見に行くと少し傷んではいるがまだまだ走れそうな
   CHERUBIM(ケルビム)があった。
   TOEIやALPSなどと並び、日本を代表する自転車だ。

   早速フレームを譲って頂く交渉をし、
   レストアのスタート!!

   フレームの色もこれから塗り替えます。
    「革職人と言ったらこの色! 」
   と言う色にしようと思います。
     (また、後日出来上がりをご報告しますね。)

   なにせ30年以上古いフレーム。
   スポルティーフと言えばおフランスなので
   極力、パーツはフランスのビンテージ部品で揃えたい!!!
   お金を出せばデットストックの部品もあるのだけれど
   それで簡単に組んでは面白くない。

   中古の部品を自分の手で再生することが
   レストアの醍醐味なのです。 ( 自己満足ですって?笑 )

   自転車屋さんに相談し、倉庫にある使えそうなパーツを
   段ボールに詰めて頂いてきました。

   この数々、ガラクタにしか見えないでしょ。
   いえいえ!!これは、マニアが見れば
   よだれの出るビンテージパーツばかり。

   これを夜な夜な錆を落とし
   ピカピカになるまで磨き上げるのです。
   一番楽しいひと時・・・。
   一体どうなる事やらお楽しみに!!

2014.07.11

  


▼ 自転車の季節。

季節が良くなると、 工房では「Klean Kanteen」 (クリーンカンティーン)のボトルカバーの注文がぐーんと増えてきます 。
『どこかへ出かけたい!』きっと皆さん同じ気持ちなんだろうなぁ、なんて話しながら作っています。
こんな風に、頂いたご注文から季節を感じる今日この頃。
テハマナスタッフも大峰近畿最高峰の八経ヶ岳にアタックしたり、道後温泉と別子銅山の旅や鎌倉の旅に出かけたり、
休日をアクティブに過ごしています。
気候の良い季節 、お気に入りのものを片手に出掛けたいものですね。

2014.05.26

 

テハマナの風景
日本みつばち
自転車
テハマナの食卓




▼ 淡路島の旅。

先日、久しぶりに男3人で淡路島の旅に行ってきました。
自転車は左からチネリ スーパーコルサ、エディーメルクス、片倉シルク。
いつもお世話になっている自転車工房赤松さんに教えていただいた
自転車カフェ”チルコロ”さんに行ったりと
途中、休み休みしながらのゆっくりとした自転車の旅。
(チルコロのオーナーさんお世話になりました!!)
天候が悪くなり、途中で淡路島一周は断念しましたがリフレッシュできる良い旅でした。

2012.03.20

 


▼ TOEI社。

先日の水筒の記事にも登場した友人N氏。
TOEI社で完成したての美しいスポルティーフを持ちTeha'amanaの工房へ。
マットでとても上品なグレー。さすがTOEIだ。

   


先日、革でカスタムした Klean Kanteenの水筒が良く似合う。
今日は、バーテープと、 その他もろもろのカスタム。
上品で大人な仕上がりがN氏らしい。

  

そろそろ試乗しただろうか?
こんな美しい自転車、 自分だったら、しばらくおろさずにかざって眺めているだろう(笑)。
心地よいこの季節。 ゆったりと自転車で旅をしたいものだ。

2012.02.23

 


▼ 自転車用 水筒。

友人N氏の愛用するKlean Kanteen の水筒。
シンプルなデザインを活かし革でカスタムアップ。
取り外しが出来るよう、口元はベルト使用に。

   

異素材の組み合わせはそれぞれが主張し、とても面白い。
こうした時間は楽しいものだ。
リラックスして作り上げたものの中からふと新しい作品が生まれたりする。

2011.09.15

 


EDDY !!
  
   また、ひさしぶりに、このコーナーの更新です。 自転車と疎遠になっていたわけではありません(笑)。
   ずいぶん前になりますが、新しい自転車が仲間入り。
   1982年のEDDY MERCKX PROFESSIONAL。なんと、デットストック!!
   ビンテージ自転車はほとんどが中古。新車で残っている事はほとんど無い。
   ところがこの自転車は29年もの間、とある自転車屋さんに飾られ長い間オーナーを待っていたのだ。

   

   エディーメルクスが自転車工房を開いて1,2年の時のフラッグシップモデルだけあって、コンポはもちろんフルカンパ。
   随所に刻印 ”EDDY MERCKX ” が入っている。
   エディーメルクスは、” DE ROSA ”に自転車作りの手解きを受けたと言う事もあり
   ベルギー製の自転車だが、イタリア車の匂いがプンプンする。

 

   まだバーテープも巻いていない状態だったので早速、Teha'amanaチューン!
   色んな場所にキャメル色のオイルレザーパーツでおめかしを・・・
   ボトルホルダーのちょっと革巻きはクラシック自転車のSHOP BI・CI・CLASSICA で見たものを真似てみました。
    シルバーにキャメル色の革が上品でレトロな雰囲気。そうです。自己満足です。(笑)

2010.10.31


バイシクル・マガジン 掲載 について

  バイシクル・マガジン(10/20発売)にTeha'amanaの商品が掲載されています。
  掲載ページはP.10,11,15です。

  Teha'amanaで作っている自転車にまつわるバッグや小道具を紹介していただいています。

2010.10.06

  

ようやく・・・。
  
   ひさしぶりに、このコーナーの更新です。
   自転車と疎遠になっていたわけではありません(笑)。

   奈良に和歌山、琵琶湖一周。
   季節が良いときに、友人と自転車の旅を楽しんでいますが、毎回、自転車に夢中で写真を撮り忘れておりました(笑)。
   次回は必ずや、ご報告します!
   さて、そんな今回はvelolife-UNEPEU(ベロライフ・アンプ)さんからお受けした難問のお話。

  

  『 この、ハンドルに革を巻いてほしい。 』
   上等なハンドルが届いた。

   『 ハンドルの径は太くなったり、細くなったりしている・・・。しかも最新のカンパのブレーキ付きだ。これは手強いぞ! 』
   一目で、そう思った。

   僕の自転車のパーツ作りは、シンプルな構造の80年代までのいわゆる”旧車”が対象なので、正直不安・・・なんて思っているのも最初だけ。
   数センチごとにハンドル径を計り、型紙を作り、革を切り始めると時間を忘れる程、ドップリとのめり込む。

  

   ブレーキとシフトワイヤーを、途中から革の中に通す加工が今回の最大の難所。
   あとはただ、ひたすら丁寧に縫い込む。

   『 やっと出来上がったー。 』
   ふと、時計を見ると、12時間ぶっとうしで作業していたことに。
   どうです?なかなか良い仕上がりでしょ(笑)。

2009.10.20

  

バイシクル・マガジン 掲載 について

  バイシクル・マガジン(10/20売り)に Teha'amana の西本が掲載されています。
   今回は、 趣味の自転車を中心に 日々の生活、工房や仕事について など3ページにわたって 紹介していただいています。
   ・・・自転車が大好きな人に、見てほしいな。なんて、お恥ずかしながら 思っています。

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